挨拶状を料金別納郵便で送る

料金別納郵便とは、差し出す郵便物に切手を貼らず、郵便局の窓口でまとめて料金を支払うタイプの郵便です。料金別納郵便とすれば、1通1通の郵便物に切手を貼付する必要がなくなるため、企業から多くの郵便物をまとめて発送する場合などにしばしば活用されています。

では、会社から挨拶状を送る際、切手を貼らずに料金別納郵便で送ることは、失礼にあたってしまうのでしょうか?今回は、料金別納郵便と挨拶状についてくわしく解説します。

挨拶状とは

挨拶状とは、相手にこちらの近況やお礼を伝えたり、相手の近況を伺ったりする書状のことです。年賀状や暑中見舞いなど季節の挨拶を伝えるもののほか、相手からいただいたお中元などのお礼を伝えるもの、社長交代などこちらの近況を報告するものなどが存在します。

最近ではさまざまな連絡ツールが発達しているため、単に事実を伝達するのみであれば、電話やEメール、SNSなどで事足りるかもしれません。しかし、あえて手間をかけて挨拶状を送ることによって、より相手を大切に想う気持ちや相手への敬意が伝わりやすくなります。

特にビジネスシーンにおいては今も挨拶状が広く活用されており、適切なシーンで適切な挨拶状を送ることは、現代においても重要なビジネスマナーの一つであるといえるでしょう。

会社から挨拶状を送る主なシーン

会社から挨拶状を送る場面は、少なくありません。ビジネスで挨拶状を送る主なシーンとそれぞれの挨拶状を送る時期は、次のとおりです。

なお、それぞれ適切な時期に遅れてしまえば、失礼となってしまいかねません。場合によっては、常識を知らない会社であると思われてしまう可能性もあります。

挨拶状をそれぞれ適切なタイミングで送付することができるよう、あらかじめ基本の文面を作成したり、発送先リストの整備をしたりといった準備をしておくと良いでしょう。

季節の挨拶状

季節の挨拶状とは、年賀状や寒中見舞い、暑中見舞いなど、その季節に応じて相手の近況をうかがう挨拶状です。季節の挨拶状の適切な送付時期は、それぞれ次のとおりです。

季節の挨拶状の送付時期

・年賀状:1月1日から1月7日までの間
・寒中見舞い:1月8日から2月4日頃(立春)
・暑中見舞い:梅雨明けから8月7日頃(立秋)
・残暑見舞い:8月8日頃(立秋)から8月末頃

会社設立の挨拶状

会社設立の挨拶状とは、お世話になっている相手などに会社を設立したことを知らせる挨拶状です。会社設立の挨拶状は、会社設立日の1週間前から2週間前までには送ると良いでしょう。

社長交代や役員就任の挨拶状

社長が交代した際や役員が改選された際に、取引先などにその旨を知らせる挨拶状です。

社長交代や役員就任の挨拶状は、新たな社長や役員が就任してからおおむね1週間以内に送付することがマナーであるとされています。発送が遅れ、重要な取引先が他の方面から社長交代を知ることなどのないよう注意が必要です。

移転の挨拶状

本社が移転した際などには、取引先などに対して挨拶状でお知らせします。

移転の挨拶状は、移転前おおむね1か月前から2週間前頃までには送ると良いでしょう。お知らせが遅ければ、相手が移転を知らずに訪れたり郵便物を送ったりして、トラブルとなる可能性があります。

支店開設の挨拶状

支店開設の挨拶状とは、新たに支店を設けることを取引先などに知らせる挨拶状です。支店開設の挨拶状は、支店の開設が決まったらできるだけ早く送りましょう。遅くとも、支店開設の1週間から2週間前頃までには届くように発送します。

ギリギリになってからお知らせをすれば、相手がお祝いの花などを手配してくれるにあたって、慌てさせてしまう可能性などがあります。

周年記念イベントの挨拶状

周年記念イベントの挨拶状とは、会社が節目の年を迎えるにあたって行うイベントに、取引先などを招待する挨拶状です。相手に参加不参加の回答を求めるものである場合には、遅くともイベント開催日の1ヶ月前頃までには相手に届くように送りましょう。

発送が遅くなると、相手がすでに別の予定を入れている可能性が高くなるためです。

お礼状

お礼状とは、相手からお中元やお祝いの品をいただいた際などに、お礼を伝える挨拶状です。

お礼状はできるだけすみやかに発送しましょう。遅くとも、3日以内には送ることがマナーであるとされています。

料金別納郵便とは

料金別納郵便とは、本来であれば切手を貼る場所に料金別納であることを示す所定のマークを記載することで、切手を貼らずに郵便物を差し出すことができるサービスです。

郵便物を発送する場合には、原則として1通1通に切手を貼らなければなりません。しかし、たとえば社長交代の挨拶状や支店開設の挨拶状など会社から送る挨拶状は、一度に差し出す通数が多くなりがちです。

そのため、切手を貼るだけでもひと苦労でしょう。そのような際に料金別納郵便を活用することで、切手を貼る手間を削減することが可能です。

なお、多くの郵便物をまとめて出す場合を前提としていますので、料金別納郵便の利用は一度に同じ重さの郵便物を10通以上出す場合にのみ利用できます。

ちなみに、料金別納郵便を使っても、郵送にかかる料金は切手を貼る場合と変わりません。

郵便代金は郵便局の窓口で、現金や手持ちの切手などで直接支払います。最近ではクレジットカードでの支払いができる郵便局も存在しますので、クレジットカードで支払いたい場合には、持ち込み先の郵便局に対応の可否を確認しておくとよいでしょう。

料金別納郵便で挨拶状を送るのは失礼?

会社によっては、非常に多くの挨拶状を発送する場合もあるでしょう。このような際に、すべて手作業で切手を貼っていては、多くの時間と手間を要してしまいます。

では、挨拶状に切手を貼らず料金別納郵便で送ることは、失礼にあたるのでしょうか?これについての考え方は、次のとおりです。

料金別納郵便で送ってもマナー違反ではない

料金別納郵便で挨拶状を送ることが、必ずしもマナー違反というわけではありません。そうであるとはいえ、さすがに弔事の挨拶状や会社設立の挨拶状などであれば、料金別納郵便で送ることは避けるべきでしょう。

しかし、挨拶状のなかでもたとえば周年記念イベントの開催案内など比較的カジュアルな挨拶状であれば、料金別納郵便で送ることも選択肢の一つになるかと思います。

会社から送る挨拶状は一度に送る通数が多くなる傾向にありますので、挨拶状を送る場面によっては、料金別納郵便とすることも検討すると良いでしょう。

中には失礼だと感じる人もいる

マナーは、相手を思いやる気持ちの表れです。法律などとは異なり、統一されたルールが定められているわけではありません。

そのため、料金別納郵便で挨拶状を送ることを失礼であると感じるかどうかは、結局のところ、受け手次第であるといえるでしょう。挨拶状はその内容に合った切手を貼って送るべきであり、料金別納郵便で挨拶状を送ることは失礼であると考える人もゼロではありません。

そのため、挨拶状を料金別納郵便で送るのか切手で送るのかは、挨拶状を送るシーンや送付の属性などを踏まえて検討すると良いでしょう。

挨拶状を料金別納郵便で送るメリット

挨拶状を料金別納郵便で送ることのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?主なメリットは、次のとおりです。

メリット

・1枚1枚切手を貼る手間が省ける
・封入物が増えて重くなっても対応しやすい
・デザインを自作することができる

1枚1枚切手を貼る手間が省ける

挨拶状を料金別納郵便で送る最大のメリットは、自社でかける手間の軽減です。大量に挨拶状を送る際、1通1通に切手を貼っていては大変な手間と時間がかかります。

一方、料金別納郵便では切手を貼る必要がありません。封筒などにあらかじめ料金別納郵便であることを示すマークをあらかじめ印字しておくことで、発送の手間を大きく軽減することが可能となるでしょう。

封入物が増えて重くなっても対応しやすい

挨拶状を送る際に広く使用される定形郵便を送る料金は、郵便物の重さが25g以内であれば84円、25g超100g以内であれば94円です。このように重さによって料金が変わるため、84円の予定で切手を準備したにもかかわらず同封物を追加したことなどにより25gを超えた場合には、追加で10円切手を貼るか、94円切手を貼らなければなりません。

そのため、切手を貼って送る場合には、あらかじめ重さを確認したうえで適切な切手を貼付する必要があるでしょう。

一方、料金別納郵便であれば結果的にどのような重さになったとしても、切手を貼り直したり追加で貼付したりする必要はありません。封筒自体に変更を加えることなく、差し出しの際に支払う料金が変わるのみです。

そのため、封入物が増えて郵便代金が変わっても、対応しやすいといえるでしょう。

デザインを自作することができる

料金別納郵便であることを示すマークには、次のようなルールがあります。

ルール

・郵便物の表面左上部(横に長く使用するものについては右上部)に表記すること
・幅が2cmから3cmであること
・高さが2cmから3cmであること
・「料金別納郵便」と表示すること

なお、ほかに「差出郵便局名」も記すべきとされていますが、こちらは差出人の氏名と住所を明瞭に記載すれば省略しても構いません。挨拶状であれば差出人名を明記することが一般的ですので、この差出郵便局名については気にする必要はないといえます。

これらの要件さえ満たしてさえいれば、料金別納郵便のマークを自作しても構いません。

たとえば、挨拶状を発送する会社がデザインを手掛けている企業である場合などには、料金別納郵便であることを示すマークを自作することで、自社のデザイン力のアピールともなるでしょう。

挨拶状を料金別納郵便で送るデメリット

挨拶状を料金別納郵便で送ることには、デメリットも存在します。主に挙げられるデメリットは、次の2点です。

デメリット

・失礼に感じる人もいる
・郵便局の窓口で差し出す必要がある

失礼に感じる人もいる

先ほど解説したように、どのようなことを失礼だと感じるのかは、人それぞれです。人によっては、料金別納郵便で挨拶状を送ることを失礼であると感じる場合もあるでしょう。

料金別納郵便は、ダイレクトメールの発送などに使用するものだとのイメージによるものです。そのため、料金別納郵便の活用は、挨拶状の種類や送る相手の属性などによって検討しなければなりません。

心配であれば、原則どおり切手で送った方が無難であると言えます。

郵便局の窓口で差し出す必要がある

料金別納郵便は、差し出しの際に郵便局の窓口で料金を支払うタイプの郵便です。そのため、最寄りの郵便ポストなどから差し出すことはできず、郵便局の窓口まで持ち込まなければなりません。

大量の挨拶状であれば非常に重いため、通数によっては複数人で協力して持ち込む必要が生じます。また、郵便局側で通数をカウントするなどの処理に時間がかかることも多く、混み合う時間帯に小さい郵便局へ持ち込めば、窓口を渋滞させてしまう可能性があるでしょう。

まとめ

挨拶状を大量に発送するにあたって、切手を貼らずに料金別納郵便で送ったからといって、必ずしもマナー違反というわけではありません。特に、企業から送る挨拶状であれば非常に多くの通数の挨拶状を差し出すことも多いため、料金別納郵便は非常に便利なものであるといえるでしょう。

しかし、中には料金別納郵便で挨拶状を送ることを、失礼に感じる人も存在します。そのため、挨拶状を送る相手の属性や挨拶状の内容などを踏まえて、料金別納郵便を活用するかどうかを検討する必要があるでしょう。

そこでぜひご検討いただきたいのが、当サイト「挨拶状印刷.jp」のご利用です。挨拶状印刷ではオプションにより挨拶状への切手貼付の代行も可能ですので、1枚1枚自社で切手を貼り付ける必要がありません。

大量の挨拶状に自社で切手を貼る手間を省きたい一方で、料金別納郵便で挨拶状を送ることにも抵抗があるという場合には、ぜひ挨拶状印刷.jpの代行サービスをご利用ください。