挨拶状は、封筒に入れて送ることでより丁寧な印象となります。では、挨拶状を封筒に入れて送る場合、封入する向きに決まりはあるのでしょうか?
今回は、挨拶状を封入する向きに関するマナーと、挨拶状を送る際に注意すべきその他のマナーについて詳しく解説します。
挨拶状は封筒に入れて送るべき?
挨拶状を送る際には、封筒に入れて送るべきなのでしょうか?はじめに、挨拶状を封入すべき場面について解説します。
ハガキのままで送っても良い
挨拶状は、ハガキのままで送っても問題ありません。実際に、年賀状や暑中見舞いなど季節に応じて相手の状況を伺う挨拶状などは、ハガキのままで送られることが一般的です。
また、開業を知らせる挨拶状や異動の挨拶状なども、ハガキのままで送られることが少なくありません。
封筒に入れた方が良い場合
挨拶状を封筒に入れて送った方が良い場面としては、次の2つが挙げられます。
相手へより丁寧な印象を与えたい場合
挨拶状を封筒に入れて送ることで、ハガキのままで送る場合と比較して、より丁寧でフォーマルな印象となります。
そのため、たとえば法人設立の挨拶状を送る場合や社長交代の挨拶状を送る場合など、相手に対してよりフォーマルな印象を与えたい場合には、封筒に入れて送ると良いでしょう。
2つ折りカードや3つ折りカード形式の挨拶状を送る場合
挨拶状には後ほど解説をするとおり、さまざまな形態が存在します。中でも、情報量が多くハガキ状の単カード形式では書ききれない場合には、2つ折りや3つ折りカード形式の挨拶状を選択することが多いでしょう。
2つ折りカード形式や3つ折りカード形式の挨拶状はそのまま送ることが困難です。そのため、封筒へ入れて送ることとなるでしょう。
挨拶状に同封物がある場合
周年記念式典へ招待する挨拶状や結婚式の挨拶状などを送る際には、返信用ハガキや会場案内などの同封物がある場合が多いでしょう。この場合にはハガキのままでは送れませんので、封筒へ入れて発送してください。
挨拶状の封入の向き:単カード型の場合
単カード型の挨拶状を封筒に入れて送る場合、挨拶状の封入の向きなどの注意点は、次のとおりです。
単カード型の挨拶状とは
単カード型の挨拶状とは、ハガキ程度のサイズであり、少し厚手の用紙で作成をした挨拶状のことです。単カード型の挨拶状には本文を縦書きにした方が一般的でありフォーマルですが、横書きにしたからといってマナー違反というわけではありません。
横書きにする場合も縦書きにする場合も、用紙は縦長の形で使用することが一般的です。
単カード型挨拶状の封入向き
単カード型の挨拶状を、宛名を縦書きにした封筒へ封入する際には、本文と宛名が上下逆さまにならないよう、向きに注意しましょう。なお、宛名を横書きにしたからといって誤りということではありませんが、縦書きとしたほうがフォーマルな印象となります。
カードの裏表については、封筒の宛名を書いた側に本文が向くように封入すべきとの説がある一方で、相手が封筒を開けた際に見やすいよう封筒の裏面に本文が向くように封入すべきとの説もありますので、いずれであっても構いません。
また、封筒の宛名を縦書きにした場合には、慶事など通常の挨拶状では「右封じ」で封入するよう注意が必要です。「右封じ」とは、封筒を裏側に向けた際、右側からフタを閉じる封入方法を指します。
一方、弔事の場合には、これとは反対に「左封じ」で封入しましょう。
挨拶状の封入の向き:2つ折りカード型の場合
2つ折りカード型の挨拶状を封筒に入れて送る場合、挨拶状の封入の向きなどの注意点は、次のとおりです。
2つ折りカード型の挨拶状とは
2つ折りカード型の挨拶状とは、ハガキを左右に2つ並べた程度のサイズであり、少し厚手の用紙で作成をした挨拶状です。単カード型では書ききれない情報量がある場合などに使用されやすい形態です。
2つ折りカード型の挨拶状も本文は縦書きにすることが多いですが、横書きとするケースも散見され、いずれもマナー違反ではありません。
2つ折りカード型の挨拶状は、本文が縦書きであっても横書きであっても、カードを開いた状態で横長の形で使用することが一般的です。ただし、本文を横書きにする場合には、用紙を縦書きの形で使用する場合もあります。
2つ折りカード型挨拶状の封入向き
2つ折りカード型の挨拶状は、本文が内側に来るように折ることが一般的です。そのうえで、封筒へ入れましょう。
宛名を縦書きにした封筒へ縦書きの挨拶状を封入する向きは、単カード型の場合と同様に、本文と宛名が上下逆さまにならないよう注意してください。
また、慶事などの際には「右封じ」、弔事の場合には「左封じ」で封入してください。カードの上下の向きについては、原則として、封筒の取り出し口にカードの折り目が来るように封入すると良いでしょう。その方が、相手にとってカードを取り出しやすいためです。
一方、結婚式の招待状など同封物がある場合には、同封物を挨拶状に挟んだ状態で、カードの折り目が封筒の底に来る向きで封入します。なぜなら、この方が相手にとってカードと同封物をまとめて取り出しやすいためです。
挨拶状の封入の向き:3つ折りカード型の場合
3つ折りカード型の挨拶状を封筒に入れて送る場合、挨拶状の封入の向きなどの注意点は、次のとおりです。
3つ折りカード型の挨拶状とは
3つ折りカード型の挨拶状とは、ハガキを横に3つ並べた程度のサイズであり、少し厚手の用紙で作成した挨拶状です。たとえば、多くの役員を擁する企業での役員改選挨拶状など、2つ折りカード型の挨拶状であっても書ききれないほどの情報量がある場合に使用されます。
3つ折りカード型の挨拶状の本文は、縦書きをすることが多いです。用紙は、横長の形で使用することが一般的です。
3つ折りカード型挨拶状の封入向き
3つ折りカード型の挨拶状は、本文を記載した面が内側に来るよう、まずカードの右3分の1を右へ折ります。そのうえで、カードの右3分の1(挨拶状の書き出しがある部分)を、左へ折り重ねましょう。
封入する向きは、始めに折ったほうの折り目が封筒の底に来るようにします。この方が、相手にとって取り出しやすいためです。
単カード型などの場合と同じく、宛名の記載と本文の記載が上下逆さまとならないように注意しましょう。また、慶事などの通常の挨拶状では右封じ、弔事の場合には左封じをするマナーについても、単カード型の挨拶状などの場合と同様です。
封入する向き以外の挨拶状の注意点
封入する向き以外に注意すべき挨拶状のマナーは、次のとおりです。
適切な時期に送付する
挨拶状には、それぞれ送付に適切なタイミングが存在します。たとえば、社長交代の挨拶状であれば新社長の就任後1週間以内に送るべきであり、お中元やお歳暮のお礼状は受け取ったら3日以内に送るべきなどです。
時期を逸してしまえば失礼に当たる場合もありますので、挨拶状を送る際にはあらかじめ適切なタイミングを確認し、時期に遅れることのないよう送るようにしましょう。
宛名の誤りに注意する
挨拶状は本文においても誤字脱字は避けるべきですが、特に相手の社名や氏名など宛名の誤りは大変失礼にあたりますので、間違いのないよう注意しましょう。
単純な誤字脱字に注意すべきほか、氏名や社名、役職など相手から受け取った変更の連絡が反映されているかどうかも、あらかじめ確認することをおすすめします。
また、送り先の住所を誤ってしまったり移転前の古い住所へ送ってしまったりすれば、挨拶状が届かず戻ってきてしまうリスクもあるでしょう。
なお、印刷をしてしまってから誤りに気付いた場合であっても、これを修正テープや二重線で修正することは好ましくありません。この場合には、たとえ面倒であっても、印刷をし直すようにしましょう。
いきなり本題から書き始めない
挨拶状は原則として、いきなり本文から書き始めないことがマナーです。挨拶状でははじめに「頭語」を記載し、これに続けて「時候の挨拶」を記載します。その後本文を書き、最後に「結語」で締めましょう。
それぞれの書き方は、次のとおりです。
頭語と結語
頭語とは、「拝啓」や「謹啓」など本文のはじめに記す文言のことです。挨拶状で使用される基本の頭語としては、次のものが挙げられます。
- 拝啓:挨拶状でもっともよく使用される、基本の頭語です。原則として、これを使用すると考えておけば間違いないでしょう。
- 謹啓:よりかしこまった挨拶状を送る場合に使用される頭語です。目上の人へ送る場合に使用します。
- 拝復:相手から受け取った挨拶状へ返信をする場合に使用される頭語です。
- 前略:親しい相手へ挨拶状を送る場合や、お見舞いの挨拶状を送る場合に使用される頭語です。この頭語を使用した場合には、時候の挨拶は省略します。
一方、結語とは、「敬具」など本文の最後に記す文言のことです。使用することができる結語は、使用した頭語によって次のように決まっています。
- 頭語に「拝啓」を使用した場合:「敬具」や「敬白」など
- 頭語に「謹啓」を使用した場合:「謹言」や「謹白」など
- 頭語に「拝復」を使用した場合:「敬具」など
- 頭語に「前略」を使用した場合:「草々」など
頭語と結語については、基本の組み合わせを覚えておくと良いでしょう。
時候の挨拶
一般的な挨拶状では、頭語に続いて時候の挨拶を記載します。時候の挨拶とは、季節のフレーズを添えて相手の健康や成功を願う文言です。
時候の挨拶は、次のように記載します。
- 企業宛である場合:「〇〇の候 貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます」「〇〇のみぎり 貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます」など
- 個人宛である場合:「〇〇の候 皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」「〇〇のみぎり ▢▢様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」など
この「〇〇」には、挨拶状を送る季節に沿ったフレーズが入ります。たとえば、4月なら「陽春」、9月なら「初秋」などです。
これに続く「~の候」と「~のみぎり」は、いずれであっても構いません。ただし、「~の候」のほうがややかしこまった印象となる一方で、「~のみぎり」のほうがやや柔らかい印象となります。
その後に、相手の成功や健康などを願う文言を記載しましょう。
企業宛である場合には、成功や発展を願う「ご盛栄」「ご清栄」「ご隆昌」「ご隆盛」などを記載することが通例です。一方、個人宛である場合には、健康や幸せを願う「ご健勝」や「ご清祥」を使用することが多いでしょう。
句読点を使用しない
挨拶状では、句読点を使用しないことが基本のマナーであるとされています。なぜなら、句読点が文章を区切る役割を持つものであることから、「縁を切る」という意味を連想させてしまうためです。
また、句読点の歴史は比較的浅く、当初は子どもが文章を読みやすいように使われたものであることから、句読点を使用することで相手を子ども扱いしているという説もあります。
ただし、最近では比較的カジュアルな横書きの挨拶状を中心に、読みやすさを重視して句読点が使われるケースもさほど珍しくなくなってきています。そのため、句読点を使用するかどうかは、挨拶状を送るシーンや贈る相手の年齢層などに合わせて検討すると良いでしょう。
迷う場合には、句読点を使用しない方が無難ではあります。
まとめ
挨拶状を送る際には、封入する向きや本文の書き方など、マナーで迷ってしまうことも多いかと思います。せっかく挨拶状を送るのであれば、正しいマナーで相手に失礼のないよう送るようにしましょう。
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