挨拶状の封筒の差出人

挨拶状はハガキのままで送ることもできますが、封筒に入れて送ることでより相手へ丁寧な印象を与えることが可能となります。

では、挨拶状を送る際の封筒は、どのように記載すれば良いのでしょうか?今回は、封筒への差出人や宛名を書く際のマナーなどについて、くわしく解説します。

挨拶状とは

挨拶状とは、こちらの状況の変化を伝えたり、季節に応じて相手の近況をうかがったりする書状です。たとえば、次のものなどが挙げられます。

挨拶状の例

・年賀状や寒中見舞い、暑中見舞いなど季節の挨拶状
・お礼状
・社長交代や役員改選、本社移転、支店開設、業務提携など、会社の変更事項を知らせる挨拶状
・結婚や引越しなど、個人の状況の変化を知らせる挨拶状
・転勤や退職など、社内の個人の変更事項を知らせる挨拶状
・家族などの死亡や忌明けを知らせる弔事の挨拶状

単に相手の状況を伺ったり、こちらの変更事項を伝えたりするのみであれば、Eメールや電話などで十分かもしれません。しかし、Eメールなどの連絡ツールはあくまでも簡略的なものであり、正式な挨拶や重要なことを伝える手段としてはそぐわないとされています。

重要な場面ではあえて手間をかけて書状で挨拶状を送ることで、相手への敬意や相手を大切に想う気持ちを伝えることが可能となるでしょう。

特にビジネスシーンや弔事の場面などでは、今も挨拶状が広く活用されています。そのため、基本のマナーを知っておくと良いでしょう。

挨拶状は封筒に入れて送るべき?

挨拶状は、ハガキのままではなく、封筒に入れて送るべきなのでしょうか?まずは、挨拶状の送り方の基本を解説します。

ハガキのままで送ることもある

挨拶状は、ハガキのままで送ることも少なくありません。

たとえば、年賀状や暑中見舞いなどは封筒に入れて送ることのほうが稀であり、通常はハガキのままで送ります。また、お中元などを頂いた場合のお礼状も、ハガキで送ることが多いでしょう。

挨拶状をハガキで送ることには、相手がすぐに内容を確認できるメリットがあります。そのため、相手の家族や従業員などに内容を見られても構わないような内容で、かつ比較的カジュアルな場面で送る挨拶状は、ハガキのままで送っても差し支えありません。

挨拶状を封筒に入れて送るべきケース

挨拶状を封筒に入れて送るべきケースは、どのような場合なのでしょうか?封筒に入れて送るべき主な場面は、次のとおりです。

挨拶状に同封物がある場合

挨拶状に同封物がある場合には、ハガキで送ることができません。そのため、この場合には封筒に入れて送らざるを得ないでしょう。

挨拶状の同封物としてよくあるものは、周年記念などのイベントに相手を招待する場合における返信用のハガキや、会場の案内図などです。

挨拶状に書くべき内容が多い場合

挨拶状に書くべき内容が多い場合には、ハガキのスペースでは収まりきらないことが多いでしょう。たとえば、役員の数が多い場合の役員改選の挨拶状やイベントの開催案内をともなう挨拶状などでは、文字数が多くなる傾向にあります。

挨拶状を書く際のフォントサイズに、明確な決まりはありません。しかし、一般的には10ポイントから10.5ポイント程度が読みやすいとされ、9ポイント以下になると小さすぎて読みにくくなってしまいます。

そのため、フォントを9ポイント以下にしなければハガキに収まらないような文量なのであれば、無理にハガキで作成することは避けた方が良いでしょう。

この場合には、2つ折りや3つ折りのカード型の用紙に印刷をしたり便箋で記載をしたりしたうえで、封筒に入れて送ることをおすすめします。

より丁寧な印象を与えたい場合

ハガキのままで送る挨拶状は、略式です。そのため、より相手に丁寧な印象を与えたい場合や正式に挨拶をすべき場面では、封筒に入れて送ることをおすすめします。

たとえば、会社にとって重要な局面である会社設立の挨拶状や社長交代の挨拶状などは、封筒に入れて送った方が好印象となりやすいでしょう。

挨拶状の封筒に差出人を記載すべき理由

挨拶状を封筒で送る場合、宛先を記載すべきであるのはもちろんのこと、差出人についても記載しなければなりません。なお、これは挨拶状に限ったことではなく、郵便物を送る際全般のマナーであり、ルールでもあります。

では、なぜ挨拶状などの封筒に差出人を記載すべきなのでしょうか。その主な理由は、次のとおりです。

相手が誰から届いたかわからず困惑するから

挨拶状を受け取る立場で考えた場合、差出人のわからない封書が届いたら、困惑してしまうかもしれません。封書は良い知らせを運んでくる場合がある一方で、良くない知らせを運んでくる場合もあるためです。

特に、差出人のない封書は一般的ではありませんので、相手が恐怖を感じてしまう可能性もあるでしょう。封筒に差出人が書かれていれば、相手が安心して開封することができます。

配達不能の際の返送先となるため

郵便物が配達不能であった場合には、挨拶状などの封筒へ記載された差出人の元へ郵便物が返送されます。

つまり、封筒に記載した差出人は、この返送先を示すことにもなるのです。差出人が書かれていなければ仮に不達であっても郵便物が返送されず、不達になったことにさえ気が付けない可能性があるでしょう。

なお、郵便物が配達不能となる主な理由は、次の2点です。

理由

・記載の住所に相手がいない:引越しや本人の死亡などでその人がすでにその住所に住んでない場合や、会社がすでにその場所から移転している場合などです
・受け取り拒否:相手が郵便物の受け取りを拒否した場合です

挨拶状の封筒の書き方:基本編

挨拶状の封筒は、どのように記載すれば良いのでしょうか?まずは、封筒の使い方など基本のマナーを解説します。

縦書きの方がフォーマルな印象になる

挨拶状を送る封筒には、封入口が封筒の短辺にある「和封筒」と、封入口が封筒の長辺にある「洋封筒」が存在します。和封筒は便箋に記載した挨拶状を送ることに適している一方で、洋封筒はカード型の挨拶状を送ることに適しているといえるでしょう。

いずれの場合であっても、封筒は縦書きで使用したほうが、フォーマルな印象となります。

洋封筒であれば横書きとしても誤りではありませんが、やはり少しカジュアルな印象となることは否めません。そのため、挨拶状を送る際には、基本的には封筒は縦書きで使用するものと考えておくと良いでしょう。

縦書きなら住所の数字は漢数字とする

挨拶状を送る封筒の宛名や差出人を縦書きとする場合、数字は「一、二、三」などの漢数字とするのが基本です。縦書きに「1、2、3」などの算用数字は馴染みませんので、覚えておくと良いでしょう。

また、たとえば住所が「25番地」などの場合、正式には「十」は書かず、「二五番地」と記載します。

ただし、たとえば「21番地」などの場合、漢数字は住所などで並べた際に、「三」であるのか「二一」であるのかなどの区別がつきにくくなってしまいます。誤配送などを防ぐため、「21」は「二十一」と書くなど、工夫をすると良いでしょう。

なお、固有名詞に算用数字が含まれている場合には、漢数字に置き換えることは適切ではありません。たとえば、相手の社名が「123株式会社」である場合などです。

この場合には、勝手に「一二三株式会社」などとはせず、算用数字のままで記載しましょう。

白地の封筒の使用が基本

挨拶状を送る封筒は、白地に無地のものが基本です。柄の書かれた可愛らしい封筒も多く販売されていますが、正式な挨拶状では望ましくありません。

ただし、プライベートで親しい相手へ比較的カジュアルな挨拶状を送る場合には、柄の書かれたものを使用しても差し支えないでしょう。ささやかに季節の花などが描かれたものであれば、さほど違和感を与えません。

弔事では二重封筒は使わない

主に和封筒で、内側に内紙が貼られて二重となった封筒が販売されています。二重封筒は非常に丁寧な印象を与えるため、目上の相手へ個人的なお礼を伝えるお礼状を送る場合などに、使用すると良いでしょう。また、挨拶状ではありませんが、相手へ現金を渡す場合にもよく使用されます。

しかし、二重封筒は、弔事の場面で使用することは適切ではありません。なぜなら、「二重」であることが、不幸が重なることを連想させてしまうためです。

封筒の向きに注意する

和封筒であれば、使用する向きに迷うことはないでしょう。一方、洋封筒を縦書きで使用する場合には、使用する向きに注意しなければなりません。

一般的な挨拶状では、封筒の裏側から見たときに封入口が右側にくる「右封じ」で使用します。一方、弔事の場面ではこれとは反対に、封筒の裏側から見た時に封入口が左側にくる「左封じ」とします。

封筒によってははじめから郵便番号の記入欄が記載されているものもありますので、使用の際にはもちろんのこと、購入の際にも誤らないよう注意しましょう。

挨拶状の封筒の書き方:宛名編

挨拶状の封筒は、どのように記載すれば良いのでしょうか?宛名を書く際の主な注意点は、次のとおりです。

誤字脱字に注意する

相手の氏名や会社名、役職などを誤ることは、大変な失礼にあたります。挨拶状は本文も含めて誤字脱字に注意すべきではありますが、なかでもこれらの項目は絶対に誤らないよう注意しましょう。

特に、お名前の漢字には似たものが複数ある場合があります。たとえば、「サイトウ」さんや「ワタナベ」さんなどは誤りやすいため、ご注意ください。

住所を正しく記載する

住所を誤れば、せっかく送った挨拶状が届かない可能性があります。たとえば、移転や引越しの連絡を受けていた場合には、新しい情報が反映されているかどうか注意しましょう。

また、相手がマンションなどの集合住宅に住んでいる場合には、マンション名や号室までを書かなければ原則として郵便は届きません。マンション名などまで正しく記載されているか確認しておきましょう。

正しい敬称を使用する

挨拶状を送る際には、敬称を正しく使用しましょう。宛先として使用する敬称は、原則として「様」、「先生」、「御中」の3つです。それぞれの使い分けは、次のとおりです。

使い分け

・様:相手の氏名に付けるもっとも一般的な敬称です。「挨拶太郎様」や「挨拶株式会社 代表取締役 挨拶一郎様」、「挨拶株式会社 営業部 印刷花子様」などのように使用します
・先生:医師や弁護士、教授など、先生と呼ばれる相手に使用する敬称です。「日本病院 日本二郎先生」や「弁護士法人挨拶 挨拶清先生」などのように使用します
・御中:会社や部署などの団体宛てに挨拶状を送る際に使う敬称です。「株式会社挨拶 御中」や「株式会社挨拶 営業部 御中」などのように使用します

バランスに配慮する

挨拶状の宛名は、バランスに配慮して記載しましょう。バランスを取るためのコツは、次のとおりです。

ポイント

・住所が1行の場合には、郵便番号のもっとも右のマスとその1つ左のマスの間の下あたりから書き始める。2行になる場合には、郵便番号のもっとも右のマスの下あたりから書き始める
・住所は、マンション名(ビル名)から改行する。住所の2行目は1行目から1文字から2文字分くらいを下げてから書き始める
・個人宛の場合も団体内に特定の相手に送る場合も、相手の氏名が用紙の中央にくるように記載する。氏名の書き出しは、住所1行目の書き出しよりも1文字分程度下げる。氏名は他の文字よりやや大きく書く
・相手の役職名が4文字以内程度である場合には、氏名の上に、氏名よりもやや小さい文字で書く。役職名が長い場合(おおむね5文字以上の場合)には、氏名と社名の間に役職名を書く
・団体内の特定の相手に送る場合には、相手の氏名の右側に社名を記載する。社名は、住所の1行目よりも1文字分程度下げる

もっとも重要なポイントは、相手の氏名を用紙の中央に配置する点と、相手の氏名をやや大きく記載する点です。これらに注意をすれば、宛名面のバランスが取りやすくなるでしょう。

挨拶状の封筒の書き方:差出人編

挨拶状を送る際、差出人は封筒へどのように記載すれば良いのでしょうか?

差出人の書き方は、次のとおりです。

宛名が縦書きなら差出人名も縦書きにする

挨拶状の封筒に記載する差出人名の表記は、宛名の向きと合わせることが基本です。仮に宛名を縦書きとした場合には、差出人も縦書きで記載しましょう。

差出人の情報を明記する

差出人欄には、差出人の情報を明記します。次の情報を記載しましょう。

記載情報

・住所:万が一返送された場合に備え、マンション名や号室まで正しく記載しましょう
・郵便番号:郵便番号欄が設けられていないものもありますが、郵便番号も明記しましょう
・差出人名:個人であれば個人名、法人であれば法人名と代表者名を記載します。なお、社長交代の挨拶状を送る場合には、差出人は新たに就任した社長となります

バランスに配慮する

差出人を記載する際には、全体のバランスに配慮しましょう。

差出人の情報を書く場所は、原則として、封筒の裏面左下あたりです。ただし、弔事で洋封筒を使用する場合には裏面左側には封筒の口がありますので、右側の下あたりに記載します。

なお、和封筒の場合には、封筒の継ぎ目である中央のラインをはさんで右側に住所、左側に差出人名となるような書き方をする場合もあります。

差出人の情報は、宛名よりもやや小さな文字で記載することが一般的です。また、差出人の氏名は住所の書き出しよりも1文字分程度を下げてから書き出すと、バランスが取りやすいでしょう。

まとめ

挨拶状を送る際、封筒には差出人の情報を記載するのがマナーであり、郵便を送る際のルールでもあります。差出人の記載がなければ、万が一挨拶状が相手に届かなかった際に返送されないほか、相手を困惑させてしまう可能性もありますので、注意しましょう。

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