社長が交代した際には、取引先などに挨拶状を送ることが通例です。では、社長交代の挨拶状を送るタイミングは、いつが適切なのでしょうか?
今回は、社長交代の挨拶状を送るタイミングの他、社長交代の挨拶状におけるその他のマナーについても詳しく解説します。
社長交代の挨拶状とは
社長交代の挨拶状とは、社長が交代したことを取引先などに知らせる書状です。単に社長交代の事実を通知するのみではなく、今後も引き続きお付き合いを継続してもらいたい旨や、新たに就任した社長による今後の意気込みなどを記すことが一般的であるといえます。
昨今、メールなどさまざまな通信手段が発達していますが、社長交代など重要な局面で挨拶状を活用することは、企業間取引におけるマナーです。そのため、社長交代の際には、しっかりと挨拶状を送ることをおすすめします。
社長交代の挨拶状を出すタイミング
挨拶状には、それぞれの内容に応じて、送付するのに適切なタイミングが存在します。時期を逸してしまうと失礼にあたってしまう可能性があるため注意してください。
社長交代の挨拶状を出すタイミングは、次のとおりです。
就任後1週間以内に出すのがマナー
社長交代の挨拶状は、新社長が就任してからおおむね1週間以内に出すことがマナーです。これに大きく遅れてしまえば失礼にあたる可能性がありますので、遅れないように注意しましょう。
また、新社長による新体制で混乱が生じているのではないか、新社長はこれまでの取引先を軽視しているのではないかなど、余計な憶測を生んでしまうリスクも生じます。
就任前に送ることは一般的でない
社長交代の挨拶状を、新社長の就任前に送ることは一般的ではありません。
1週間以内という短い期限に間に合わせたいからといって、新社長就任前に挨拶状を送ってしまうと、マナーを知らない企業であるとの印象を与えてしまいかねないため注意が必要です。
社長交代の挨拶状を出すべきタイミングに遅れないために
社長の交代直後は、役員変更登記の申請や各種変更手続きなどで、ただでさえ慌ただしくなります。このような状況下で就任後1週間以内に挨拶状を送るためには、事前の準備などの対策が不可欠です。
社長交代の挨拶状を出すべきタイミングに遅れてしまわないため、次の点を心がけると良いでしょう。
あらかじめ送付先リストを整備しておく
挨拶状を送るための事前準備として、あらかじめ送付先リストを整備しておくことをおすすめします。社長交代の挨拶状を送る先に漏れが生じては失礼にあたりますので、送付先は複数人で確認をすると安心です。
送付先リストを整備する際には、最新情報へ更新されているかどうかの確認を忘れないようにしてください。
たとえば、以前は取締役であった人が代表取締役へ就任したとの連絡を受けていたにもかかわらず、リストが古く「取締役」の役職で挨拶状を送ってしまえば、非常に失礼となるためです。また、婚姻などで名字が変わったとの連絡を受けていたにもかかわらず、旧姓宛で送ってしまうことも避けたいミスです。
さらに、リストに登録されている所在地が古ければ、せっかく送った挨拶状が相手先に届かず戻ってきてしまう可能性もあります。
あらかじめ文面を作成しておく
後ほど解説しますが、挨拶状にはさまざまなマナーが存在します。挨拶状を慌てて作成してしまうと、マナー違反の文面となってしまったり、誤字脱字が生じてしまったりするリスクが高くなるでしょう。
そのため、状況が許すのであれば、あらかじめ挨拶状の文面を検討しておくことをおすすめします。
挨拶状印刷へ印刷を依頼する
挨拶状の文言を、短期間で一から作り上げることは容易ではありません。そのため、社長交代の挨拶状を送る際には当サイト「挨拶状印刷.jp」などの利用をご検討すると良いでしょう。
挨拶状印刷では、マナーに沿った社長交代の挨拶状のテンプレートを数多くご用意しておりますので、シーンに合った挨拶状を簡単に作成することが可能となります。もちろん、文面の変更も可能ですので、オリジナリティある文言に修正していただけます。
また、宛名印刷や発送代行も行っておりますので、計画的に発送をすることが可能です。
社長交代の挨拶状は誰に出すべき?
社長交代の挨拶状を送る範囲に、特に厳密な決まりがあるわけではありません。しかし、社長交代の挨拶状は、新たな社長による新体制のもとでも、引き続きお付き合いしてもらいたいとの想いで送る書状です。
そのため、少なくとも、今後もお付き合いを継続したい相手にはもれなく送付をしておくべきでしょう。中でも、特に優先的に送付すべき相手は、次のとおりです。
大口の取引先
大口であるなど重要な取引先には、必ず社長交代の挨拶状を送っておきましょう。万が一送付が漏れて別のルートから社長交代を漏れ聞くような事態となれば、今後の取引に影響してしまうかもしれません。
また、新体制で社内が混乱しているとの印象を与えてしまうリスクもあります。なお、特に重要な先には挨拶状を送るのみならず、就任後に新社長みずから挨拶回りにも出向くべきでしょう。
株主
株主とは、会社の所有者のことです。比較的規模の大きな会社では、社長自身や社内の取締役の他にも、株主が存在する場合があります。このような場合には、必ずこの株主に対して、社長交代の挨拶状を送るようにしましょう。
取引銀行
取引銀行は、経営における重要なパートナーです。特に、借り入れがある場合や今後借り入れを検討している場合などには、必ず社長交代の挨拶状を送るようにしてください。
なお、すでに借り入れがある場合には、退任をする社長が借り入れの保証人となっていたり、社長の自宅が借り入れの担保に入っていたりする場合があります。この場合には、社長交代を事後的に報告するのみならず、あらかじめ社長交代について金融機関へ相談をしておくべきでしょう。マナーというよりも、事前に相談をしておかないと、保証や担保が退任する社長にそのまま残ってしまう可能性があるためです。
重要な仕入先
事業の継続において、仕入先との関係も非常に重要です。そのため、重要な仕入先にも、社長交代の挨拶状を送付するべきでしょう。
社長交代の挨拶状は誰の名前で出す?
社長交代の挨拶状は、誰の名前で出すべきなのでしょうか?一般的には、次のいずれかです。
新たに就任する社長名義で出すことが基本
社長交代の挨拶状は、新たに就任をした社長名義で送ることが基本です。これは、社長交代の挨拶状が、新社長による新体制のもとでも引き続きお付き合いやご指導ご鞭撻をお願いしたいとの想いを込めて送付するものであるからです。
具体的には、「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇」など、会社名と新たな役職名を新社長の氏名に付して記載します。
なお、退任をした社長名義のみで挨拶状を送ることは、一般的ではありません。仮に退任した社長がこれまでお世話になった相手に対して退任の挨拶状を送る場合であっても、これと社長交代の挨拶状とは別のものとして捉え、社長交代の挨拶状は新社長から別途送付するべきです。
退任する社長と新たに就任する社長の連名で送る場合もある
社長交代の挨拶状を、退任した社長と新たに就任した社長との連名で送る場合も存在します。連名で送ることで、よりスムーズに社長交代が行われたとの印象を与えることができるでしょう。
特に、親子間での引き継ぎや長年勤めてきた従業員への引き継ぎなどでは、連名での挨拶状がしばしば活用されます。
退任する社長は、これまでお世話になったことへのお礼と「今後は後任者をよろしく頼みます」という内容を記す一方で、新たに就任する社長は「力不足ながら頑張りますので、前任者同様よろしくお願いします」との内容を丁寧に記すことが一般的です。
また、退任をした社長は社名や役職名を付さずに氏名のみを記し、新たに就任をした社長は「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇」など、単独名義で送る場合と同様に会社名と新たな役職名を新社長の氏名に付して記載します。
社長交代の挨拶状を送る際のマナー
社長交代の挨拶状には、さまざまなマナーが存在します。特に注意すべきポイントは次のとおりです。
挨拶状を送るタイミングに遅れないよう注意する
先ほど解説したように、挨拶状を送るのに適切な時期が存在します。社長交代の挨拶状を送るタイミングは、新社長の就任後おおむね1週間以内とされていますので、これに大きく遅れることのないよう送付するようにしましょう。
適切なタイミングで挨拶状を送るためには、事前の準備やテンプレートの活用などが不可欠です。
宛名を誤らないよう注意する
社長交代の挨拶状を送る際には、誤字脱字に注意しましょう。
中でも、相手の社名や氏名、役職名を誤ることは非常に失礼にあたるため、絶対に避けるべきです。宛名を誤ってしまわないよう、送付先リストの確認は入念に行うことをおすすめします。
また、送付先リストに社名変更や事務所移転などの情報が反映されているかどうかも、あらかじめよく確認してください。印刷後に万が一誤りに気が付いたら、修正テープや二重線で修正することなどはマナー違反です。面倒であっても、再度作成し直すようにしましょう。
封筒に入れて送るとより丁寧になる
挨拶状はハガキのままで送る場合もあれば封筒に入れて送る場合もあり、どちらであっても誤りではありません。
ただし、封筒に入れて送ったほうが、よりフォーマルな印象を与えることが可能となります。そのため、会社にとっての大きなできごとである社長交代の挨拶状は、封筒に入れて送る場合も多いでしょう。
なお、縦書きの挨拶状を、宛名を縦書きにした封筒に入れる場合には、挨拶状と封筒が上下逆さまになってしまわないようご注意ください。
また、宛名を縦書きにした洋封筒(封筒の長辺に封入口のある封筒)に入れて社長交代の挨拶状を送る場合には、封筒の裏側から見て右側から蓋をしめる「右封じ」とします。封筒の向きを誤って「左封じ」としてしまうと弔事用となってしまうため注意してください。
頭語と結語を記載する
挨拶状を、いきなり本文から書き始めることは一般的ではありません。まずは頭語から書き始め、結語で締めることが通例となっています。
頭語の代表例は「拝啓」であり、結語の代表例は「敬具」です。頭語と結語は、それぞれ次のように選択しましょう。
頭語の選択
一般的な挨拶状では、「拝啓」という頭語がしばしば活用されます。社長交代の挨拶状でも使用して構いません。
ただし、「謹啓」や「謹呈」、「恭啓」などを用いることで、より相手への敬意やかしこまった印象を与えることが可能です。そのため、社長交代というフォーマルな挨拶状においては、これらもしばしば活用されています。
なお、頭語には「前略」なども存在しますが、社長交代の挨拶状では使われないことが一般的です。なぜなら、「前略」は、後ほど解説をする時候の挨拶を省略していきなり本題に入る場合に使用される頭語であるためです。
そもそも社長交代の挨拶状では時候の挨拶を省略すること事態が適切ではありませんので、「前略」が付かれることもほとんどありません。
結語の選択
文章を締める結語は、使用した頭語によって使える表現が決まっています。
たとえば、頭語に「拝啓」を使った場合の結語は、「敬具」や「敬白」となります。また、頭語に「謹啓」や「謹呈」、「恭啓」を用いた場合に使うことのできる結語は、「謹言」や「謹白」などです。
頭語に合わない結語を記してしまうことのないよう、基本の組み合わせを知っておくと良いでしょう。
適切な時候の挨拶を記載する
挨拶状では、頭語に続けて時候の挨拶を記載し、その後本題に入ることが一般的です。
時候の挨拶とは、次のような表現を指します。
- 〇〇の候 貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます
- 〇〇のみぎり 貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
この「〇〇」には、「春暖」(4月)や「仲秋」(9月)など、挨拶状を送る季節に合った表現が入ります。また、企業など事業者宛である場合には、「ご隆盛」や「ご清祥」など、事業の発展を願う表現を記載することが通例です。
一方、個人あてである場合には「ご隆盛」などではなく、健康を願う「ご健勝」が使用されることが多いでしょう。
なお、季節を問わずに使用できる「時下」との表現を用いても、失礼ではありません。たとえば、「時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます」のように使用します。
句読点を使用しない
社長交代の挨拶状に限らず、挨拶状では句読点を使用しないことが基本のマナーとされています。これは、句読点が文章を区切る役割を持つことから、「縁を切る」ことを連想させてしまうためです。
また、句読点の歴史は比較的浅く、もとは子どもが文章を読みやすいように使われ始めたものであることから、中には句読点を使用することが「相手を子ども扱いしている」と捉える人もいるようです。
しかし、最近では読みやすさを重視して、主に横書きの比較的カジュアルな挨拶状において句読点が使われることも増えてきています。
ただし、そうであるとは言え社長交代の挨拶状は会社にとって重要な局面で送る比較的フォーマルな内容の挨拶状ですので、特に理由がない限りは句読点を使わずに作成した方が良いでしょう。
まとめ
社長交代の挨拶状を送る適切なタイミングは、新社長の就任後おおむね1週間以内とされています。
しかし、社長就任後は非常に慌ただしい時期です。時期に遅れてしまうことのないよう、あらかじめ挨拶状を送る準備を進めておくと良いでしょう。
社長交代の挨拶状をスムーズに、かつマナーに沿った内容で作成するためには、ぜひ当サイト「挨拶状印刷.jp」の活用がおすすめです。
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